歯学部(読み)しがくぶ

大学事典 「歯学部」の解説

歯学部
しがくぶ

歯科医術に関する教育は,欧米では19世紀中頃まで徒弟制(学校以外での技術の伝承組織)主体であった。世界で最初の歯科医学教育は,アメリカ合衆国ボルティモア歯科医学校アメリカ(Baltimore College of Dental Surgery)においてであり,同校は1840年にホーリス・H. ハイデンにより創立された。1868年までに13の歯科大学(アメリカ)(College of Dentistry)が開校している。

 日本においては,1875年(明治8)医術開業試験(日本)の専門科に口中科(日本)(のち歯科に改称)が存在し,83年に医術試験とは別に医術開業試験歯科試験が設けられた。そのため,この国家試験合格のための予備校的な歯科医学校(日本)が創立され始めた。1906年の歯科医師法の成立とともに専門学校令に基づき専門学校に昇格内務省の国家試験免除の資格を得ると無試験で歯科医師免許が取得できた。1907年に東京歯科医学専門学校,1909年に日本歯科医学専門学校,国立では1928年(昭和3)年に東京高等歯科医学校(東京医科歯科大学の前身)が開校した。第2次世界大戦前の歯科医学にはアメリカの影響が強い。戦後GHQ指導により1946年に東京歯科医学専門学校を母体東京歯科大学(旧制)が設立され,従来の歯科医学専門学校がこれに続いた。1947年,教育刷新委員会によって医学部と同様の6年制課程となり,今日に至る。2016年(平成28)現在,国公私立あわせて29の歯学部が存在する。
著者: 西巻明彦

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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