日本大百科全書(ニッポニカ) 「段思平」の意味・わかりやすい解説
段思平
だんしへい
生没年不詳。中国の雲南地方に成立した大理(だいり)国の始祖(在位937~944)。父母の所伝はなく不明であるが、洱海(じかい)の西岸大理県地方の出身らしく、大理国の前身である南詔(なんしょう)国第5代王閣羅鳳(かくらほう)の清平(せいへい)官大軍将段倹魏(だんけんぎ)の6世孫と伝えられる。段氏は白蛮(現在の白(ペー)族)系で大理県地方を本拠地とし、大理盆地の諸部族中の有力部族であったらしく、南詔国でも世々重臣に任ぜられているから、段思平はおそらくこの子孫に相違ない。南詔国の末期には、権臣の鄭(てい)氏、趙(ちょう)氏、楊(よう)氏が相次いで台頭して王位を奪ったが、通海節度使段思平が楊氏の大義寧(だいぎねい)国を倒して即位し、大理国を開いた。都をいまの大理市治に置き、王国の基礎を固め、仏教を信仰した。
[藤沢義美]