朝日日本歴史人物事典 「殿村安守」の解説
殿村安守
生年:安永8(1779)
江戸後期の国学者。本姓は大神。通称助吉,五兵衛,左五平。名は周表,のちに安守と改名。号篠舎,篠斎,三枝園など。伊勢(三重県)松坂の商人殿村家の分家の嫡男。本家を継いで殿村整方の養子となる。寛政6(1794)年,養父に倣って本居宣長に入門,寵愛を受けた。宣長没後は本居春庭に師事し,盲目の春庭を物心両面から援助した。曲亭馬琴とも親しく,『南総里見八犬伝』『朝夷巡島記』を批評し,これに馬琴が答えた『犬夷評判記』があるが,実際はほとんど馬琴の手になったものではないかともいわれる。
(飯倉洋一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報