毛屋町(読み)けやちよう

日本歴史地名大系 「毛屋町」の解説

毛屋町
けやちよう

[現在地名]福井市左内さない町・毛矢けや三丁目

北陸街道沿いの神宮寺中じんぐうじなか町を東に入った通り。足羽あすわ川を挟んで福井城の西南にあたる。毛矢・毛谷・花谷とも書き、西方足羽山麓毛谷黒竜けやくろたつ神社から起こった町名。正徳三年(一七一三)頃の御城下惣町間数帳に「花谷町 六拾五間、往還通ヨリ花谷口迄、但道幅二間一尺」とある。

毛屋町から排水路を越えて東へ進めば南北に長い毛屋家中町に至る。この排水路に架かる橋を為竹いちく橋とよび、「越前国名蹟考」には「神宮寺町より毛屋の家中へ入口なり。此橋の上の屋敷に以前半井為竹居住に依ての名なりと云」と記す。毛屋家中町は、慶長年間(一五九六―一六一五)福井城郭構築以来の侍屋敷町であったが、貞享三年(一六八六)の大法で侍屋敷が取払われて空地になると、その一部に地方町の毛屋新開けやしんかい町が生れた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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