中国で孫文が唱えた三民主義を構成する三つの主義の一つ。人民の生活向上,経済的平等をめざす経済綱領。1896-97年ヨーロッパ亡命中の孫文が先進資本主義国における資本主義の弊害,富の分配の不公平に基づく社会問題の発生をまのあたりに見て,将来中国でも起こるであろう社会問題を未然に防止するために構想した。1905年(光緒31)中国同盟会の結成とともに初めて民族・民権・民生が三大主義と名づけて発表され,H.ジョージの土地単税論の影響を受けた〈地権平均〉(土地の申告価格に基づいて課税し,地価上昇分を国家に納め国民全体に還元する)を民生主義の最も重要な内容とした。辛亥革命後の12年〈地権平均〉と並んで〈資本節制〉が主要な内容として採り入れられ,24年には中国国民党第1回全国代表大会宣言で労働者農民への援助の方針が加えられ,また〈耕す者に田を〉の主張が掲げられて地主制廃止の方向が明確に示された。
執筆者:藤井 昇三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…とくに,梁啓超らの《新民叢報》が,列強による分割を誘発するとして革命に反対したのに対して,革命によって分割に抗するとの理論を明らかにした。孫文の三民主義とくに民生主義の理論も,《民報》誌上の《新民叢報》との論戦で,深化され,宣伝された。中国最初のマルクス主義紹介の論文も掲載した。…
※「民生主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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