民間事故調(読み)みんかんじこちょう

百科事典マイペディア 「民間事故調」の意味・わかりやすい解説

民間事故調【みんかんじこちょう】

福島第一原発事故(2011年3月)の後,事故の原因調査と検証のために,民間シンクタンク,財団法人日本再建イニシアティブが2011年9月に設置した福島原発事故独立調査委員会。福島第一原発事故については,二つの公的調査委員会が設置された。他に事故当事者である東京電力も事故調査委員会を設置した。公的調査委員会は,国会事故調と政府事故調(内閣事故調)と呼ばれるもの。政府事故調は,福島第一原発と福島第二原発の事故の原因及び当該事故による被害の原因を究明することと,当該事故の被害拡大防止と同種事故の再発防止のための政策提言とを目的として,内閣官房に設置された。国会事故調は,東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法に基づき設置された。これらに対して,独立調査委員会は,民間出身で自由な立場にあり,原子力事業推進側に直接利害を持たない構成員により,司法立法行政,当事者企業のいずれでもない立場で事故の検証を行うことを目的とした。プログラムディレクタージャーナリストで日本再建イニシアティブ理事長の船橋洋一,委員長は北澤宏一科学技術振興財団顧問で,2011年9月に発足,2012年2月に報告書を発表した。事故発生時における菅直人内閣の対応,政府の危機管理システムの不備,日本における原発の技術的,思想的課題と安全規制の課題,安全神話問題,対米関係を中心とした国際関係等々に関して,多く関係者インタビューに基づき,批判的に検証している。→原発事故調査委員会

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