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気体の比熱 きたいのひねつspecific heat of gas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

気体の比熱
きたいのひねつ
specific heat of gas

気体は熱膨張が大きいので,その比熱は温度を上げるときの条件によって異なる。体積一定のときの定積比熱 (定容比熱) cv ,圧力一定のときの定圧比熱 cp は直接に測定することができ,cpcvR/m という関係を満足する。ただし R は気体定数,m はその気体の分子量である。この関係式は気体の内部エネルギーが体積に関係しないことから J.R.マイアーによって理論的に導かれたものである。気体の両比熱の比 γ=cp/cv は,常温で単原子気体では 5/3 ,二原子気体では 7/5 ,多原子気体では 8/6 にほぼ等しい。気体分子の並進および振動の自由度にエネルギーが等分配されると考えれば,全自由度が f のとき γ=(f+2)/f であることが導かれ,気体分子の原子数に応じて順に f=3,5,6 であることから前述のγの値が説明できる。しかし温度が低くなるとγがこの値からずれてくる。これは低温では1分子あたりの熱エネルギーが振動量子よりも小さくなり,振動の自由度が凍結されるためと解釈される。水素などの比熱の測定値が温度の上昇に伴って段階的に増大することも,この解釈を支持しており,量子論の理解と発展に寄与した。

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