水切(読み)みずきり

精選版 日本国語大辞典 「水切」の意味・読み・例文・類語

みず‐きりみづ‥【水切】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 水気を取ること。〔工学字彙(1886)〕
  3. 雨水が壁を伝わらないように軒先の材や窓台石または蛇腹(じゃばら)などの下に設けた溝。〔紙上蜃気(1758)〕
  4. 大型和船の舵の部分の一つ。舵の身木の水中抵抗を減らすため、身木の前面に添えて打ちつける細長い材。潮切り。
    1. [初出の実例]「添身木樫也。羽・桟松、水切は樺・玉楠あり」(出典:今西氏家舶縄墨私記(1813)坤)
  5. 和船のみよしの前面部。船が進むときここで水を切るところからいう。潮切り。
    1. [初出の実例]「水切厚さ、昔しは中棚付留にて半分、今中にて四分取」(出典:古今集論造船記(1740))
  6. 水面に石を投げて、水の上をはずませる遊び。〔風俗画報‐二四三号(1902)〕
  7. 生け花で、水の中で草花などの茎を切ること。水揚げの方法の一つ。
  8. みずきりせん(水切銭)」の略。
    1. [初出の実例]「唐蘭の諸物は幕府の官物たるを以て水切を出さず車を以てとる」(出典:随筆・守貞漫稿(1837‐53)三三)
  9. 茶道で、ひしゃくに湯または水をすくって運ぶとき、しずくが落ちないこと。
  10. 船に積んだ荷物を陸にあげること。水揚げ。〔現代術語辞典(1931)〕

みず‐ぎれみづ‥【水切】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 水がかれてなくなること。水の絶えること。
    1. [初出の実例]「水切の騒ぎいつ迄夏の月」(出典:俳諧・文化句帖‐元年(1804)六月)
    2. 「抔洗(すまし)の水は〈略〉水(ミヅ)ぎれダ、かはりをたつぴつにもってきな」(出典安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三)
  3. 腎虚(じんきょ)異称。〔雑俳・柳多留‐三三(1806)〕
  4. 水気が取れること。
    1. [初出の実例]「水切れを好くする為めに笊を用ひるので」(出典:人情馬鹿物語(1955)〈川口松太郎〉九)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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