水平社宣言(読み)スイヘイシャセンゲン

デジタル大辞泉 「水平社宣言」の意味・読み・例文・類語

すいへいしゃ‐せんげん【水平社宣言】

大正11年(1922)に全国水平社が結成されたときに採択された宣言被差別部落の人々に団結を呼びかけ、人間を尊重する自主的な運動によって差別からの解放を目指すことを表明している。

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共同通信ニュース用語解説 「水平社宣言」の解説

水平社宣言

身分差別で厳しい生活環境に置かれてきた被差別部落の出身の人々が1922年3月3日、京都市の岡崎公会堂で全国水平社を結成し、採択した宣言。奈良県出身の西光万吉さいこう・まんきちが起草し、日本初の人権宣言とされる。当事者に団結を呼び掛け、差別の撤廃を目指すべきだとの理念をうたっている。宣言は「人の世に熱あれ、人間に光あれ」という言葉で結ばれ、全ての人にとって自由で平等な社会を実現しようとする解放運動原点となっている。

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知恵蔵mini 「水平社宣言」の解説

水平社宣言

1922年3月3日、全国水平社(現・部落解放同盟)の創立大会で読み上げられた宣言文。正式名称は「全国水平社創立宣言」。被差別部落出身者が自主的な運動で部落差別からの解放を目指すことを宣言したもの。「人の世に熱あれ、人間に光あれ」という結びの言葉で知られ、日本初の人権宣言ともいわれる。2014年2月、水平社博物館(奈良県御所市)などが、水平社宣言を含む全国水平社の関係資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録申請することを明らかにした。15年の登録を目指し、14年3月中の推薦書提出が予定されている。

(2014-2-7)

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世界大百科事典(旧版)内の水平社宣言の言及

【水平社】より

…22年3月3日,京都の岡崎公会堂に各地から3000人が集まって全国水平社の創立大会を開き,綱領・宣言・決議などを採択した。西光万吉(さいこうまんきち)の起草した宣言(水平社宣言)は,水平社運動が人間の尊厳,自由・平等の理念にもとづいて一切の差別とたたかい,部落出身者だけでなくすべての人間の解放をめざすことを明らかにした。創立大会では南梅吉が委員長に選ばれたが,25年の第4回大会後は松本治一郎が長くその地位にあった。…

【部落解放運動】より


[水平社運動の展開]
 こうして1922年3月3日,〈6000部落300万人〉の解放をめざす全国水平社の創立大会が京都で開かれ,部落解放運動の本格的な歩みが開始された。西光万吉(さいこうまんきち)の起草になる〈水平社宣言〉は,人間の尊厳,自由・平等の原理にもとづいて一切の差別・抑圧とたたかい,被差別部落の人々だけでなく全人類の人間解放をめざす決意を明らかにした。全国水平社の創立が〈日本における人権宣言の日〉といわれるゆえんである。…

※「水平社宣言」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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