水路づけ(読み)すいろづけ(その他表記)canalisation[フランス]

改訂新版 世界大百科事典 「水路づけ」の意味・わかりやすい解説

水路づけ (すいろづけ)
canalisation[フランス]

さまざまの可能性の中からある行動習慣価値観が選択され固定化される過程を,一度水路ができるとしだいに深い確かな流れとなることになぞらえて,ジャネが名付けた心理学用語。最初に何が選択されるかということと,それがどれだけ反復されるかが重要となる。マーフィーG.Murphyはパーソナリティ形成上水路づけが重要な役割をもつとした。彼によれば水路づけは条件づけとは異なるものであり,消去されないという。
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関連語 児玉 憲典

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水路づけ」の意味・わかりやすい解説

水路づけ
すいろづけ
canalization

心理学用語。ある種の行動パターンが狭い範囲に限定されていく過程をいう。狭義には,特定の欲求または動因を満足させるいくつかの手段うちから1つが偏好されること。たとえば,食欲は米でもパンでもその他いろいろな食物で満足されるが,ある種の食物を特に好むようになる過程をさす。水路づけはいったん形成されると,その効果は残存し,条件づけに比べて消去されにくいという特徴がある。

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