汚名返上(読み)オメイヘンジョウ

デジタル大辞泉 「汚名返上」の意味・読み・例文・類語

おめい‐へんじょう〔ヲメイヘンジヤウ〕【汚名返上】

新たな成果を挙げて、悪い評判をしりぞけること。→汚名補説

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

四字熟語を知る辞典 「汚名返上」の解説

汚名返上

悪い評判を取り除くこと。

[使用例] 最近ここには刑期二、三年のやつしかいないし、年輩のおとなしいやつばかりだし、汚名返上待遇はよくなってるし、娑婆よりはよっぽど気楽だし[筒井康隆*歌と饒舌の戦記|1987]

[使用例] 鍋島勢は、関が原戦での汚名返上に躍起となっており、必ず軍功を焦って強引に攻めてくる[飯嶋和一*出星前夜|2008]

[使用例] 時差ボケの対処法は機内における十分な睡眠と知りつつ一睡もせず、トロント大学でいったい何をしゃべったか、まるで記憶にない。それでも数日のうちには、いくらか現地時間になじんできたので、後半のバンクーバーでの汚名返上を期した[浅田次郎*パリわずらい 江戸わずらい|2014]

[解説] 「返上」とは、受け取ったものを返すこと。不祥事の責任を取って「給与を全額返上」などと言います。
 「汚名返上」も同じです。評判を落とした人が、努力して評判を回復し、もらった汚名を「いらない」と返すのです。
 四字熟語としては、わりあい新しいことばです。『広辞苑』では二〇〇八年の第六版から載りました。熟語としての一体感がまだ弱い気もします。
 同じ意味のことばに「汚名ばんかい」があります。これは、よく「汚名返上」の誤用と言われます。「挽回」を「取り返す」の意味と考え、汚名を取り返すのはおかしい、と言うのです。
 でも、それなら、「劣勢を挽回する」や「不振挽回」「失敗挽回」なども軒並み不可、ということになります。「挽回」には「元どおりにする」の意味があります。「汚名を元どおりにする」と考えれば、「汚名挽回」も問題ありません。
 「汚名返上」「汚名挽回」は、状況に応じて使い分けるのがいいでしょう。

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