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浅田次郎 アサダジロウ

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デジタル大辞泉の解説

あさだ‐じろう〔‐ジラウ〕【浅田次郎】

[1951~ ]小説家。東京の生まれ。本名、岩戸康次郎。自衛隊などさまざまな職業を経て作家となる。ピカレスク小説歴史小説など多彩な作風で人気を博す。「鉄道員(ぽっぽや)」で直木賞受賞。他に「地下鉄(メトロ)に乗って」「壬生義士伝」「憑神(つきがみ)」など。

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知恵蔵2015の解説

浅田次郎

日本の作家。1951年、東京都生まれ。アウトローの世界に生きる人々の姿を生き生きと表現したピカレスク・ロマンや、日本、中国の近現代史を題材にした歴史小説、人情もの、ミステリーコメディーエッセーなど幅広いジャンルの作品を発表し、人気を集めている。
1970年に中央大学杉並高校を卒業し、翌71年に陸上自衛隊に入隊。動機は、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺した作家、三島由紀夫の行動を理解したかったからとしている。
本人のエッセーなどによると、73年の除隊後は、競馬の予想屋やブティック経営など様々な職業を転々とし、91年にアウトローの世界をユーモラスにつづった『とられてたまるか!』で作家デビューした。その後、元やくざや元自衛官、元エリート官僚の3人が世の中の悪党を懲らしめる『きんぴか』三部作や、『プリズンホテル』四部作、長編小説『日輪の遺産』を次々と発表し、『地下鉄(メトロ)に乗って』で95年に吉川英治文学新人賞を受賞した。96年に中国清朝末期を舞台にした歴史小説『蒼穹(そうきゅう)の昴(すばる)』が直木賞候補となるが落選、翌97年、廃線が近づく北海道ローカル線の駅長に訪れる奇跡を描いた『鉄道員(ぽっぽや)』で直木賞を受賞した。受賞歴は多数で、2000年に『壬生義士伝(みぶぎしでん)』で柴田錬三郎賞、06年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、08年『中原の虹』で吉川英治文学賞、10年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞を受賞した。
『日輪の遺産』や『蒼穹の昴』、『鉄道員』、『王妃の館』など、映画化、テレビドラマ化されている作品も多い。
他の主な著書に小説『天切り松 闇がたり』シリーズやエッセー『勇気凛凛ルリの色』シリーズなど。
11年から日本ペンクラブの会長を務め、14年には、世界の作家の相互理解と交流を行う目的で設立された「国際ペン・ライターズ・クラブ」の初代メンバーにも選ばれた。また、15年には紫綬褒章を受賞した。
小説については書くのも読むのも好きで「99.9%小説のことを考えている」という。幼少期は図書館や貸本屋に入り浸り、高校時代からは出版社に原稿を持ち込み、新人賞への投稿を続けていた。趣味は買い物や読書、競馬などで、執筆の合間を縫って競馬場を訪れているという。

(南 文枝 ライター/2015年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

浅田次郎 あさだ-じろう

1951- 平成時代の小説家。
昭和26年12月13日生まれ。陸上自衛隊にはいり,除隊後さまざまな職業につきながら小説をかく。平成7年「地下鉄(メトロ)に乗って」で吉川英治文学新人賞。8年「蒼穹(そうきゅう)の昴(すばる)」がベストセラーとなる。9年「鉄道員(ぽっぽや)」で直木賞。都会小説,歴史小説,ピカレスクと,多彩な作品を発表する。「お腹召しませ」で18年中央公論文芸賞,19年司馬遼太郎賞。20年「中原の虹」で吉川英治文学賞。22年「終わらざる夏」で毎日出版文化賞。23年日本ペンクラブ会長。東京都出身。中央大付属杉並高卒。本名は岩田康次郎。

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知恵蔵miniの解説

浅田次郎

日本の作家。1951年、東京都生まれ。91年に「とられてたまるか!」で作家デビューし、以後、ミステリー、人情もの、コメディエッセイなど幅広く作品を発表。『地下鉄(メトロ)に乗って』で95年に吉川英治文学新人賞、『鉄道員(ぽっぽや)』で97年に直木賞、『壬生義士伝』で2000年に柴田錬三郎賞、『お腹召しませ』で06年に中央公論文芸賞、司馬遼太郎賞、『中原の虹』で08年に吉川英治文学賞、『終わらざる夏』で10年に毎日出版文化賞をそれぞれ受賞するなど、数多くの文学賞に輝く。2011年からは日本ペンクラブ会長を務め、15年には紫綬褒章を受賞した。他の主な著書に『プリズンホテル』『蒼穹の昴』などがある。

(2015-4-30)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

浅田次郎
あさだじろう
(1951― )

小説家。東京都生まれ。本名岩戸康次郎(いわとこうじろう)。実家は「闇市成金のバブリーな家」だったという。エッセイなどによる本人の言葉から再構成していくと、経歴は次のようなものになる。まず幼少時には、自家用車などどこにもなかった時代に運転手つきのダッジに乗り、お付き女中にランドセルをもたせて私立の小学校に通う。自宅には本は1冊もなかった代わりに、巨大なスピーカーの蓄音機があって、クラシックの音楽全集が全部揃っていた裕福な家庭環境だった。家に本がなかったことは幼心にもコンプレックスであり、この当時から学校の図書館や貸本屋に入り浸り、ひたすら読みあさった。ところが、浅田が9歳のときに実家が没落。使用人はおろか父母も失踪し、一家はほとんど離散状態になり、遠縁の家に引き取られるという経験をする。駒場東邦中学校から、中央大学附属杉並高等学校に進み、1970年(昭和45)卒業。大学受験に二度失敗し、1971年陸上自衛隊に入隊する。入隊の理由は、陸上自衛隊市谷駐屯地で自決した三島由紀夫の行動を少しでも理解したかったからというもので、1973年の除隊時の階級は陸士長だった。その後は自称「極道生活」に入っていく。例えば、家賃数十万円の豪華マンションに住みながらのネズミ講幹部、競馬の予想屋、ブティック経営者、スーパー店頭での販売員、ギターの弾き語り……等々である。しかし浅田は、こうした経験が作家という職業の支えとなっているわけではないといい切る。事実は逆で、作家になろうとしていたら、こういう人生になってしまったのだという。その言葉通り、浅田は高校生のころから出版社に原稿をもち込み、新人賞にも投稿を続けていた。
 1991年(平成3)、自らの「極道生活」を面白おかしく綴った小説『極道放浪記』でデビュー。翌1992年、書き下ろし長編小説『きんぴか』で本格的に小説家としての道を歩み始める。13年ぶりに「シャバ」に戻った元やくざと、単身クーデターを企て失敗し、自殺未遂を図った元自衛官、収賄で挫折した元エリート官僚の3人が、定年退職した元マル暴(暴力団担当)刑事の扇動により、世の中の悪党どもを懲らしめてゆくというピカレスク・ロマン風の物語である。非情なアウトローの世界に生きながら義理と人情にも厚い男たちの姿が、涙と笑いとともに描かれる同作は、その後の浅田作品の原点となる。同作のシリーズ第二、三作の『気分はピカレスク』(1993)、『ピカレスク英雄伝』(1994)はもとより『プリズンホテル』(1993)四部作などでは、いずれもこのアウトロー路線を継承した人情物語になっている。その一方で『日輪の遺産』(1993)や『地下鉄(メトロ)に乗って』(1994。吉川英治文学新人賞)、あるいは江戸弁の語り口を駆使した『天切り松 闇がたり』(1996)など、シリアスで特異な才能を発揮した作品を発表。
 しかし、浅田の名を真に多くの読者に知らしめたのは、中国清朝末期を舞台にした壮大な歴史小説『蒼穹の昴(すばる)』(1996)だった。同作は直木賞の候補となるが、下馬評では圧倒的な支持を得ながら落選。翌1997年『鉄道員(ぽっぽや)』で第117回直木賞を受賞し、雪辱を果たす。さらに2000年『壬生(みぶ)義士伝』により柴田錬三郎賞を受賞。[関口苑生]
『『蒼穹の昴』(1996・講談社) ▽『天切り松 闇がたり』(1996・徳間書店) ▽『極道放浪記1 殺られてたまるか!』(幻冬舎アウトロー文庫) ▽『きんぴか』(光文社文庫) ▽『気分はピカレスク』『ピカレスク英雄伝』(飛天出版・HITEN NOVELS) ▽『プリズンホテル1~4』『鉄道員』(集英社文庫) ▽『日輪の遺産』(徳間文庫) ▽『地下鉄に乗って』(講談社文庫) ▽『壬生義士伝』上下(文春文庫)』

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