公害防止費用すなわち環境汚染の防止と制御に必要な費用は、すべて汚染の原因者が負担すべきであるとする公害法の指導原則をいう。汚染者費用負担の原則、あるいは公害発生者費用負担の原則ともいう。英語ではpolluter pays principleといい、通常PPPまたはPPの原則と略されて用いられる。
この原則は1970年代初頭、経済協力開発機構(OECD)やヨーロッパ共同体(EC、現ヨーロッパ連合=EU)などにより採用を決定されたもので、そのねらいは企業の競争条件を同一にすることにある。すなわち、公害防止のために企業に補助金を交付したり、税制上優遇措置を講じたりする国とそうでない国との間では、国際競争力に不公平が生ずるので、そうした措置はいわゆる非関税障壁として禁止するとともに、企業が負担した公害防止費用を製品価格やサービス価格に反映させようとするものである。
この原則が国際的に適正に適用されるためには、各国における公害規制の基準や試験分析方法などが同等になることが必要であるが、実際には各国の国内条件が異なるため、これらが各国共通になることはありえず、したがって、PPの原則が現実に国際的に実施されるのは容易ではない。日本でもPPの原則がいちおう採用されているが、その一方で公害防止に係る各種の金融、税制上の優遇措置が認められている。
[阿部泰隆]
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