江副浩正(読み)えぞえひろまさ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「江副浩正」の意味・わかりやすい解説

江副浩正
えぞえひろまさ

[生]1936.6.12. 愛媛
[没]2013.2.8. 東京
実業家リクルート(→リクルートホールディングス)創業者。東京大学在学時に東京大学新聞での営業経験からヒントを得て,1960年に同大学卒業と同時にリクルートの前身である大学新聞広告を設立。翌 1961年に就職情報誌『企業への招待』(のち『リクルートブック』)を創刊。1984年社名をリクルートに改称。学生起業家のはしりとなるとともに,求人広告の世界で風雲児的な存在となる。事業を発展させて,求人広告,不動産,旅行,転職案内など事業を多角化。社員のなかに数多くの起業家を生み出すなど,新時代の経営者として脚光を浴び,言論人としても活躍した。しかし,会長だった 1988年に子会社リクルートコスモスの未公開株を財界政界の有力者に譲渡した行為が贈賄罪に問われたリクルート事件で 1989年に逮捕。14年間に及んだ裁判の末に 2003年,執行猶予つき有罪が確定。その後,第一線から退いたものの,慈善事業,投資,執筆などで活躍した。

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百科事典マイペディア 「江副浩正」の意味・わかりやすい解説

江副浩正【えぞえひろまさ】

経営者,経済人。株式会社リクルートの創業者。愛媛県今治市生まれ。甲南中学・高校をへて東京大学教育学部卒業。東大在学中に東京大学新聞で,広告営業に興味を持ち,求人広告を中心として《企業への招待》を創刊,1960年広告代理店・大学広告社を創業した。1963年社名を株式会社日本リクルートセンターに,1984年リクルートに変更した。高度成長後期の1960年代から1970年代にかけて,大学の大衆化労働市場職種多様化が急速に進むなか,リクルートを急成長させ,求人広告のみならず様々な情報サービスを提供する情報産業に育てた。1988年,政界・官界マスコミ界をゆるがすいわゆるリクルート事件と呼ばれる贈収賄事件で逮捕される。江副は長期裁判もあり,事件後はマスコミにほとんど登場することはなく,執筆業や慈善事業を主な活動としていた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「江副浩正」の解説

江副浩正 えぞえ-ひろまさ

1936-2013 昭和後期-平成時代の経営者。
昭和11年6月12日生まれ。「東大新聞」の広告担当だった経験をいかして,昭和35年東大卒業と同時に求人広告専門の大学新聞広告社(現・リクルート)を設立。高度経済成長下に情報企業群をそだて,教育事業,不動産業にも進出。63年不動産会社「リクルートコスモス」の未公開株を政財官界関係者に大量譲渡したリクルート事件が発覚,平成15年有罪が確定。のち江副育英会理事長としてオペラ普及や若手芸術家の支援にたずさわった。平成25年2月8日死去。76歳。大阪府出身。

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367日誕生日大事典 「江副浩正」の解説

江副 浩正 (えぞえ ひろまさ)

生年月日:1936年6月12日
昭和時代;平成時代の実業家。リクルート会長

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の江副浩正の言及

【リクルート事件】より

…リクルート社は1984年12月,子会社のリクルートコスモス社の未公開株約125万株を79名に,86年7‐9月には同76万株を65名に譲渡し,同株の店頭公開(1986年10月)直後の値上がりにより受領者側が合計66億7000万円の利益を得たとされ,その額はロッキード疑獄(ロッキード事件)の3倍にのぼる。 リクルート社は1977年〈《就職情報》〉,80年〈《とらばーゆ》〉を発刊して情報企業として成長したが,さらに82年,社長江副浩正のもとでニューメディア事業への進出を図った。電電公社が民営化されNTTとなった85年,リクルート社は第2種通信業者となり,NTTから回線リセール(再販)についての全面協力を取り付け,全国民を対象としたコンピューターによる情報システムの開発をめざし,さらに国際的情報ネットワーク事業への進出を図るようになった。…

※「江副浩正」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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