江差別院
えさしべついん
[現在地名]檜山郡江差町字中歌町
字中歌町の中央にある真宗大谷派寺院。本尊阿弥陀如来。近世から九艘川町にあって順正寺と号したが、明治二七年(一八九四)現号に改称。宝暦一一年(一七六一)の「御巡見使応答申合書」に順正寺とみえ、専念寺(現松前町)末、承応年中(一六五二―五五)から所在したとある。「福山秘府」には寛文八年(一六六八)建立とある。松前藩が東本願寺派(現真宗大谷派)の専念寺に対して優遇策をとったため、同派の布教は西本願寺派(現浄土真宗本願寺派)に比べて円滑に推移した。
江差別院
えさしべついん
[現在地名]檜山郡江差町字本町
浄土真宗本願寺派寺院。龍谷山と号し、本尊阿弥陀如来。松前藩時代は松前地布教は東本願寺派(現真宗大谷派)のみが許されたため、西本願寺派(現浄土真宗本願寺派)の伝道は大幅に遅れた。安政五年(一八五八)願乗寺(箱館本願寺別院)の堀川乗経が上磯郡清川村(現上磯町)の開墾に従事し、農夫教導のため万延元年(一八六〇)願乗寺休泊所と称して一坊を創立。文久二年(一八六二)宣法庵と改称した。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 