江差沖之口役所跡(読み)えさしおきのくちやくしよあと

日本歴史地名大系 「江差沖之口役所跡」の解説

江差沖之口役所跡
えさしおきのくちやくしよあと

[現在地名]檜山郡江差町字津花町

松前藩江差湊に入港する船舶・人・荷物等を取締るため、かもめ島に向かって陸地が突き出している津花つばな町に設置した役所。文化四年(一八〇七)から文政四年(一八二一)の幕府領時代にも利用された。設置年代は不詳だが、延宝六年(一六七八)厚沢部あつさぶ(現厚沢部町)の檜山開発が始まって、檜山番所(御役所)上ノ国から江差に移され、伐採された材木積出港として江差湊が活況を呈するようになる一七世紀後半に置かれたとみられる。木材が低調になると、代わって鰊の積出港として賑わい、当役所で徴収する運上金は松前藩の重要な財源となった。近世の弁天島之図(増田家蔵)によると、鴎島に向かって陸地が突き出した津花崎の先端から四六間の地に、石垣によって囲まれた「御役所」が描かれている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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