江戸語(読み)エドゴ

関連語 山田

改訂新版 世界大百科事典 「江戸語」の意味・わかりやすい解説

江戸語 (えどご)

江戸の住民,主として町人を中心として使われたことばの意で,江戸時代の言語を指すのではない。しかし,江戸時代のことばを,前期上方語後期の江戸語に代表させる見解があるように,江戸語の成立は宝暦(1751-64)以降とされ,時期的な区分は,かなり明瞭といえよう。すなわち,文献資料の上では,まず宝暦以降の洒落本に上方語とは異なることばづかいが多く現れ,文化文政期(1804-30)の滑稽本,天保(1830-44)以降の人情本等に至ると,上方語的要素の減退は著しいとされている。このころには,上方語とともに共通語として使用されたとする説もあるが,江戸の町人ことばでも,商人と職人とでは異なり,さらに武家ことばなどとの違いを含めて,なお階層や地域によることばづかいの差異が強く存在しているとする考えもあり,江戸語の概念は,かならずしも明瞭ではない。また,明治以降の東京語の成立によって江戸語が完成されたとする見方もある。
東京語
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む