池新田村(読み)いけしんでんむら

日本歴史地名大系 「池新田村」の解説

池新田村
いけしんでんむら

[現在地名]浜岡町池新田

佐倉さくら村の西、新野にいの川の下流から河口にかけての右岸に位置し、南は海(遠州灘)に面する。池(新野池)があり、「遠江国風土記伝」に「佐倉の池と同じからず、潦水池と為るの地、自然に埋れて田を墾る、故に池新田村と号す」とある。中世笠原かさはら庄に含まれ、新野池新田とよばれた。享禄五年(一五三二)九月三日の今川氏輝判物(正林寺文書)で、「新野池新田」は今川義忠菩提所の「昌桂寺」(現小笠町の正林寺)に安堵されている。これより先、大永六年(一五二六)一二月二六日の寿桂尼朱印状(同文書)で、「にいの池なりしん(成新)田百ちよう」が、亡夫今川氏親の遺言に任せて「しやうけいし」に寄進されているのと対応する。時に池状となる湿地帯で、この頃開発され今川氏の管理下にあったと推測される。さかのぼって貞和五年(一三四九)一〇月二七日の高行書下(中山文書)では、「かさわらのしやうの内に井のゝいけのひあかり」をめぐって相論が起き、高松たかまつ社神主に安堵されており、当地のことであろう。永禄一〇年(一五六七)八月八日の今川氏真判物(同文書)では、新野池新田に紛れていた田地高松社に還付されており、この頃は高松社領ではないと確認される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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