浜岡町(読み)はまおかちよう

日本歴史地名大系 「浜岡町」の解説

浜岡町
はまおかちよう

面積:五三・五七平方キロ

小笠郡南部東端に位置し、西は大東だいとう町、北西から西は小笠町、北東から東は榛原はいばら相良さがら町、東の一部は同郡御前崎おまえざき町、南は遠州灘に面する。町のほぼ中央を新野にいの川、東端をおさ(桜川・比木川)が流れ、いずれも遠州灘に注ぐ。北部は牧之原まきのはら台地とその谷により形成され、新野川にはしの川・朝比奈あさひな(浜岡朝比奈川)などが注いでいる。一方南部の平野部は海岸砂丘地帯と湿地帯を埋立てた水田とからなる。洪積世には現在の平野部のほとんどは入江であり、沖積世には天竜川などの河川により運ばれた砂が海岸線に堆積し、砂丘を形成した。この砂丘により新野川が堰止められて新野池が誕生、後世まで残った。またお櫃納めで有名なさくらヶ池もこうした閉塞谷に造られた堰止湖と考えられている。当町の中心にある池新田いけしんでん地区はかつて新野池新田ともよばれたように、新野池を長年かかって干拓、盛土して形成されたものである。

遺跡の分布は牧之原台地に続く丘陵地帯に多く、新野川上流部の十二僧御用田じゆうにそうごようでん遺跡などの弥生遺跡、その西側丘陵地帯の三〇にも及ぶ横穴群(中西横穴群・西ノ谷横穴群など)がある。ほかに朝比奈川中流域の南谷みなみや遺跡などの弥生遺跡、比木ひきの丘陵地域にある小堤谷こづつみやかじなどの縄文遺跡、山田やまだ薩田さつたなどの弥生遺跡があり、小堤谷には二八もの横穴群が分布する。また新野・朝比奈には戦国期の八つの城館跡が知られている。南部の砂丘地帯では浜岡原子力発電所構内はまおかげんしりよくはつでんしよこうない遺跡(散布地)などがみられるが、調査は十分ではない。古代の当町域は遠江国城飼きこう(のち城東郡と改称)に属しており、「和名抄」記載の新野郷・朝夷あさひな郷に含まれていた。中世には比木庄・笠原かさはら庄が成立、比木庄は東部の現比木地区に比定され、笠原庄は当町中・西部から現袋井市に及んでいた。笠原庄内には高松たかまつ社とその所領があり、同社は笠原庄一宮ともよばれ、同庄の総鎮守として崇敬を集めた。高松社と並んで古い創建伝承を有する神社に池宮いけみや神社がある。桜ヶ池の鎮守として祀られたものであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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