沖縄(市)(読み)おきなわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「沖縄(市)」の意味・わかりやすい解説

沖縄(市)
おきなわ

沖縄県沖縄本島中南部にある市。1956年(昭和31)6月中頭(なかがみ)郡越来(ごえく)村がコザ村と改称し、7月市制施行。1974年美里(みさと)村と合併して沖縄市と改称。越来の方音はグイク。「コザ」は、第二次世界大戦後、アメリカ軍が呼称していたキャンプ「コザ」に由来する。市域地形は、おおむね丘陵状の台地からなり、中央部は標高100メートルの台地で、その両側に谷を挟んで60~70メートルの台地が続く。東側の台地は40メートルの落差をもつ段丘で、海岸に沿って低地を形成。国道329号、330号が走り、沖縄自動車道が市域を縦貫する。第二次世界大戦前の越来村は人口8000人程度の純農村。アメリカ軍上陸後、沖縄で初めての難民収容所が設けられ、人口が急増した。越来村北部は嘉手納基地(かでなきち)などに接収され、村の63%が軍用地になった。基地の恒久化に伴って基地周辺の都市化は著しく、基地依存の強い「基地の町」として成長した。市域の34.0%(2022)が基地。基地都市のイメージから脱却するため「国際文化観光都市」を宣言、国際色豊かなリゾート拠点づくりが進められている。市街地周辺の農地ではサトウキビ花卉(かき)が栽培され、酪農が行われている。知花城跡(ちばなじょうあと)の旧跡ほか東南植物楽園レジャーランド「沖縄こどもの国」、市立郷土博物館がある。闘牛名物。旧盆明けに行われる沖縄全島エイサー祭りは県下最大のエイサー祭りとしてにぎわう。面積49.72平方キロメートル、人口14万2752(2020)。

[堂前亮平]

『『コザ市史』(1974・コザ市)』『『沖縄市史』全13巻(1984~ ・沖縄市)』


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