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闘牛 トウギュウ

デジタル大辞泉の解説

とう‐ぎゅう〔‐ギウ〕【闘牛】

牛と牛とを角をつき合わせてたたかわせる競技。また、その牛。愛媛県宇和島、鹿児島県徳之島などで行われている。牛合わせ。 春》
闘牛士と牛とがたたかう競技。ギリシャ・ローマに起こり、現在ではスペインのほか、ポルトガルやメキシコなどでも行われている。「闘牛場」
[補説]書名別項。→闘牛

とうぎゅう【闘牛】[書名]

井上靖短編小説。敗戦直後の阪神間を舞台に、牛大会開催のため奔走する新聞編集局長の姿を描く。昭和24年(1949)発表。同年、第22回芥川賞受賞。

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百科事典マイペディアの解説

闘牛【とうぎゅう】

闘牛には,人と牛が闘うものと牛と牛が闘うものの2種がある。前者で有名なのはスペインで,闘牛はスペインの国技。スペイン語ではcorrida de torros。コロセウム式の闘牛場で行う。

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世界大百科事典 第2版の解説

とうぎゅう【闘牛 bullfighting】

一般には人と牛との闘争を意味する。もっとも有名なのは国技とされているスペインで,2万人収容から1500人程度までのさまざまな規模の闘牛場が約400ある。ポルトガルやフランス,中南米のメキシコ,ペルー,コロンビア,ベネズエラなどでも行われている。スペイン語ではcorrida de torosという。牛どうしを闘わせる賭博(とばく)もあり,タイ,インドネシアなど東南アジアで現在も盛んである。 雄牛の闘争の賭は前2千年紀のエジプトで記録され,古代ギリシアや古代ローマ,古代インドでもあり,人と雄牛との格闘技も行われた。

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大辞林 第三版の解説

とうぎゅう【闘牛】

牛と牛とをたたかわせる競技。また、その牛。愛媛県宇和島その他で行われている。うしあわせ。 [季] 春。
闘牛士と牛とがたたかう競技。スペイン・フランス・ポルトガル・中南米で行われ、特にスペインでは国技とされる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

闘牛
とうぎゅう

闘牛士が雄ウシと戦う闘技。[倉茂貞助]

歴史

人間とウシが戦うことは、古代ギリシアやローマで武技として行われていたが、8世紀の初めアフリカ北西部のアルジェリア、モロッコ地方に住んでいたムーア人がスペインに侵入し、これをヨーロッパに伝えたといわれる。現在はスペインでとくに発達し、フィエスタfiesta(祭りの意)とよび国技とされている。17世紀末までは、もっぱら宮廷の楽しみとして王侯貴族の間で行われたが、18世紀の初めブルボン王朝の時代になって、現在のように一般の観客を集めてプロの闘牛士が登場するようになり、同時に厳しい演出方法や規則が定められた。闘牛士は、スペイン南部のアンダルシア出身のフランシスコ・ロメロが開祖といわれ、いまでもこの地方出身の闘牛士が多い。[倉茂貞助]

スペインの闘牛

スペインの闘牛は、毎年春の復活祭の日曜日から11月までの毎日曜日、マドリード、バルセロナなどの都市に設けられたローマのコロセウムをかたどったアレーナarena(闘牛場)で開催される。闘牛士は主役をマタドールmatadorといい、ほかにバンデリレロbanderilleroという銛(もり)を打ち込む役が2人、ピカドールpicadorというウマに乗って槍(やり)でウシを刺す役が2人、ペネオpeneoという助手数人で行われる。
 闘牛は、闘牛士の顔見せである場内行進から始まる。闘牛士は、すべて中世風の金銀で飾られたきらびやかな服装をまとい、厳粛華麗な演出とともに闘牛特有の雰囲気を醸し出す。闘牛士の紹介が終わり、ペネオが扉を開くと、ウシが先導役の誘導で入場する。このウシは、なるべく獰猛(どうもう)な雄ウシを選び、闘牛場に出す前24時間、暗黒の部屋に入れておく。まずマタドールが登場してカポーテcapoteという赤い布を翻しながらウシを興奮させる。ウシは急に明るい光を浴びて荒れ狂い、場内を駆け回る。ついでピカドールが登場し、マタドールはいったん退場する。ピカドールは巧みにウマを御(ぎょ)しながら槍でウシを刺す。ウシはますます荒れ狂う。続いてバンデリレロが登場、ウシの突進をかわしながら6本の銛をウシの首と背に打ち込む。銛が打ち込まれるにつれて、ウシはいよいよ狂いたち、場内が異様な興奮に包まれる。ここで主役のマタドールが剣と、ムレタmuletaという棒に巻いた赤い布を持ってふたたび登場する。ムレタでウシを誘いながら巧みに身をかわして戦うこと約20分、場内の興奮が最高潮に達したとき、正面から突進してくるウシの首から心臓にかけて剣を突き刺し、ウシを殺す。闘牛の見所は、この最後の約20分間で、マタドールが闘牛場の中央で右に左にムレタでウシを操る身のこなしは、そのいでたちの華麗さと相まって美しい。
 闘牛はスペインのほか、フランス南部、ポルトガル、メキシコ、南アメリカなどでも古くから行われているが、やり方は国によって多少違っている。ポルトガルなどでは観客の前でウシを殺すことを禁じ、闘牛士の危険防止のためウシの角に皮袋をかぶせている。[倉茂貞助]

日本の闘牛

日本では闘牛士がウシと戦う闘牛は行われていないが、新潟、島根、愛媛の各県、東京都八丈島などでウシとウシを戦わす牛角力が古くから行われており、これを闘牛といっている。古くは角合(つのあわ)せ(牛合せ)といい、1178年(治承2)に後白河(ごしらかわ)法皇が角合せを見物したという記録がある。勝負は、柵(さく)で囲った土俵の中でウシとウシが角を合わせて押し合い、押し負けるか、戦意を失って逃げたほうのウシを負けとする。ウシの産地では、品質改良の名目で年中行事の一つとして行われるが、賭(か)けを伴う場合が多い。東京では大正の初めごろ、両国の国技館で一般の観客を集め興行として行われたことがあるが、1916年(大正5)動物愛護の立場から禁じられた。[倉茂貞助]

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世界大百科事典内の闘牛の言及

【ウシ(牛)】より

… 牛は貴人の車を引き庶民の常用でもあるとともに仏教でも尊ばれたので,日本の民俗では神仏の乗物ともされて尊敬された。祭りにも飾られて使用され,とくに田植の儀礼にはすきを引いて呪術的なシロカキをするため用いられ,その使い方には技術的秘伝があったし,また闘牛競技も本来は地域における農作の豊凶を占う意味があった。菅原道真を祭る天神社では牛を神使として尊崇し,京都の太秦では芸能神としての摩多羅(まだら)神を祭るにも牛が伴い〈牛祭〉の名がある。…

【徳之島】より

…黒糖を原料とする焼酎は名産。ソテツが群生する北部の金見崎,手々(てて)自然公園,西海岸の海食崖の犬の門蓋(いんのじようぶた),犬田布岬,モクマオウの林と白砂の砂丘がつづく南部の喜念浜など奄美群島国定公園に含まれる景勝地が多く,また名物行事の闘牛が島内各地で行われ,近年観光客が急増している。徳之島町亀徳港に鹿児島港から定期船が通じ,天城町に徳之島空港がある。…

※「闘牛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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