没骨法(読み)もっこつほう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「没骨法」の意味・わかりやすい解説

没骨法
もっこつほう

東洋画の描法の一つ。筆線でていねいに物象の輪郭をとらえる鉤勒法(こうろくほう)に対し、輪郭線を引かずに、水墨や彩色の広がりある面によって形体づける技法。中国では唐代中期からみられるが、宋(そう)代に確立、山水・花鳥・人物画に用いられ、とくに花鳥画では北宋初期の徐崇嗣(じょすうし)の系統を受けた、いわゆる徐氏体を特徴づける手法であった。これに対し鉤勒法は黄氏体(こうしたい)に特徴的である。広い意味では、わが国の俵屋宗達(そうたつ)や尾形光琳(こうりん)に代表される琳派画法や、円山・四条派の付立法(つけたてほう)なども没骨法の一種である。

榊原 悟]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

企業の退職を希望する従業員本人に代わって退職に必要な手続きを代行するサービス。依頼者と会社の間に入ることで円滑な退職をサポートするとともに、会社への連絡などを代わりに行うことで依頼者の心理的負担を軽減...

退職代行の用語解説を読む