朝日日本歴史人物事典 「沢村惣之丞」の解説
沢村惣之丞
生年:弘化1(1844)
幕末,土佐(高知)藩の勤王の志士。諱は延世,変名は河内愛之助,関雄之助。間崎滄浪の門弟。土佐勤王党に加盟,藩の消極的時局対処姿勢に憤慨,文久2(1862)年春,吉村虎太郎と長州に脱出,いったん帰郷,武市瑞山に中国,九州方面の形勢を報告,3月,坂本竜馬と共に脱藩して再度長州に走り,以後別行動をとり,勝海舟の神戸海軍操練所で英語・航海術を学ぶ。慶応3(1867)年,坂本の海援隊に参加し,奔走。翌4年1月,鳥羽・伏見の戦の報が長崎に達するや,海援隊は長崎奉行所を占拠したが,その夜訪れた薩摩藩士を闖入者と誤り殺害,その責任を取って自刃した。<参考文献>瑞山会編『維新土佐勤王史』
(福地惇)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報