河会郷・河会庄(読み)かわえごう・かわえのしよう

日本歴史地名大系 「河会郷・河会庄」の解説

河会郷・河会庄
かわえごう・かわえのしよう

和名抄英多あいた川会かわえ郷の郷名を継ぐか。史料上から現英田町域のうち、吉野よしの川左岸の大半が郷域に推定される。河江・河絵などとも記された。「猪隈関白記」正治二年(一二〇〇)三月三〇日条に京都下鴨社領として「河会保」がみえ、領主職をめぐって大江氏と光義とが争い、記録所勘状などを検討のすえ大江氏の理が認められている。その後の諸職の伝領関係は不明であるが、地頭職は相模国渋谷しぶや庄を本貫とした渋谷氏が相伝した。

寛元三年(一二四五)五月一一日の渋谷定心置文(入来院文書、以下同文書は略)子息の三郎明重に一七町四段、四郎重経に二町三段、五郎重賢に四町、二郎三郎重純に七町五段を譲っている。明重の分は代々の譲状などによると有重・静重・公重に三分割されたのち、元弘三年(一三三三)に後醍醐天皇綸旨で本領を安堵された公重の子重基の頃から再び惣領家が伝領する。史料上では「下森自上山宮西」「大足村并東木屋」「中安駮尾」「本郷中村上山下村」「本郷下村西方」「金子村」「下森上山大足」などが知られ、とくに上山うえやま・下森・大足の地は建徳二年(一三七一)の重勝以後の惣領の相伝地となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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