沿岸帯(読み)えんがんたい

精選版 日本国語大辞典 「沿岸帯」の意味・読み・例文・類語

えんがん‐たい【沿岸帯】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 湖沼の岸から光合成植物の生育限界(水深約二〇メートル)までの地域。光合成の補償点溶存酸素、生育に必要な有機物の量により制限され、また、水の動きや昼夜、季節の変化が湖沼中最も激しいので、独特の沿岸帯群集を形成する。顕花植物の生存限界(水深約一〇メートル)までとすることもある。
  3. 海では、潮間帯および干潮時の汀線(ていせん)から水深五〇メートルぐらいまでの地域。

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世界大百科事典(旧版)内の沿岸帯の言及

【海岸】より

…海岸は,海岸線(広義)より海側の陸地(海浜)を限定して指す場合と,海浜とその背後の海食崖,砂丘,潟,湿地など,海の作用が影響する陸地を広く指す場合とがある。汀線より海側は,陸に近づいてくる波浪が砕ける地帯(砕波帯)を境界にして,汀線から砕波帯までの外浜(または沿岸帯)と砕波帯より沖合の沖浜とに区分される。
[海岸に働く自然の作用]
 最も基本的な外力(陸地の表面から作用する営力)は波浪である。…

【湖沼】より


[湖の生物]
 湖沼は半閉鎖的な水塊であるため,そこに住む各種の生物と環境の間の相互作用はきわめて密接で,それぞれ湖全体が一つの独立した生態系を作り上げている。この湖沼生態系では,湖の中における生物の生活場所の特性と生物構成から,沿岸帯,沖帯,深底帯の三つの生態区分に分けられる。 沿岸帯は湖岸に沿った大型植物が生育している水深の浅い区域で,波打ちぎわから湖心に向かい抽水植物,浮葉植物(スイレン,ヒシのように葉を水面に浮かべる水草),沈水植物が順に帯状に分布している。…

※「沿岸帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」