泉井上神社(読み)いずみいのうえじんじや

日本歴史地名大系 「泉井上神社」の解説

泉井上神社
いずみいのうえじんじや

[現在地名]和泉市府中町六丁目

阪和線和泉府中駅南東方の熊野街道(小栗街道)近くに位置する。「延喜式」神名帳の和泉郡に「泉井上イノヘノ神社」とみえる。祭神は神功皇后仲哀天皇・応神天皇。旧府社。「井八幡社」「井戸ノ森八幡宮」と称されることもあるが、通称は和泉大社。創建時は不詳だが、当社縁起(「泉州志」所引)によれば、神功皇后の新羅征討の年に、一夜にして清水がわき出したのでこの地を和泉郡と名付けたといい、また新羅よりの帰途に皇后がこの地に立寄り清水を賞したという。境内には和泉の国名の起源になったという清水(国府清水、府指定史跡)があり、現在も水がわく。この辺り一帯は灌漑用水の供給源として古くから人々の祭祀の対象となっていたのであろう。天平宝字元年(七五七)に和泉国が成立すると、現府中町一帯に和泉国府が置かれた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報