法界寺阿弥陀堂(読み)ほうかいじあみだどう

山川 日本史小辞典 改訂新版 「法界寺阿弥陀堂」の解説

法界寺 阿弥陀堂
ほうかいじあみだどう

正面5間,側面5間で,宝形造の主屋の周囲に1間通りの吹き放しの裳階(もこし)を設けた阿弥陀堂で,外観は二重にみえる。建築年代には諸説あるが,「民経記」にある1226年(嘉禄2)に造営中の「本堂」を当堂とする説が有力。主屋内部は方1間の母屋(もや)と周囲の庇(ひさし)からなり,母屋柱と庇の側柱筋をあわせない。母屋の後方須弥壇を設け,阿弥陀如来像を安置する。母屋の柱・小壁などに極彩色で仏画・文様などを描く。高さ14.2m。国宝

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旺文社日本史事典 三訂版 「法界寺阿弥陀堂」の解説

法界寺阿弥陀堂
ほうかいじあみだどう

京都市伏見区にある法界寺の阿弥陀堂
平安中期の浄土教芸術の代表的建築で,この堂の壁画と『阿弥陀如来像』はともに創立以来といわれる。平等院・大原三千院のものとともに今日に残る阿弥陀堂建築の傑作一つ

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世界大百科事典(旧版)内の法界寺阿弥陀堂の言及

【阿弥陀堂】より

…その左右に翼廊を付し,前面に苑池を設けた形は1053年(天喜1)に藤原頼通が造営した平等院阿弥陀堂(鳳凰堂)で,白河天皇の法勝寺(1077)や藤原基衡の平泉毛越(もうつ)寺(1150ころ)なども浄土になぞらえて,苑池に面する伽藍とされた。小型の方三間堂(阿弥陀堂)は全国各地に設けられ,京都法界寺阿弥陀堂は方5間に裳階(もこし)を付した発展形式をもつ。中尊寺の金色堂は阿弥陀堂を工芸的に装飾して墓堂に使用した例である。…

※「法界寺阿弥陀堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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