法鼓(読み)ホック

デジタル大辞泉 「法鼓」の意味・読み・例文・類語

ほっ‐く【法鼓】

仏法。仏法を説くことを、戦闘での進軍太鼓にたとえ、法鼓をたたくという。
禅寺法堂はっとうの北東隅に備える太鼓。

ほう‐く〔ホフ‐〕【法鼓】

ほっく(法鼓)

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精選版 日本国語大辞典 「法鼓」の意味・読み・例文・類語

ほっ‐く【法鼓】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. ( 「く」は「鼓」の呉音。下に「うつ」「鳴らす」などの語を伴って用いる ) 仏の説法のこと。仏の説法が衆生煩悩をうちやぶることを、鼓をたたいて兵を進めるのにたとえていう語。ほうく。ほうこ。
    1. [初出の実例]「我為法王、宜法皷」(出典:勝鬘経義疏(611)歎仏真実功徳章)
    2. [その他の文献]〔法華経‐序品〕
  3. 禅寺の法堂東北の隅にそなえる太鼓。
    1. [初出の実例]「法鼓のほとりにたつべし」(出典:正法眼蔵(1231‐53)安居)

ほう‐くホフ‥【法鼓】

  1. 〘 名詞 〙ほっく(法鼓)
    1. [初出の実例]「魔の兵衆をやぶりて、法鼓(ホウク)をうつをみる」(出典:妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)一)

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世界大百科事典(旧版)内の法鼓の言及

【太鼓】より

… 歌舞伎の囃子の中で,舞台に出て演奏される出囃子(でばやし)は,上記の能の囃子に準ずるので,太鼓類としては締太鼓のみであるが,客席からは見えない舞台の袖で奏される陰囃子(かげばやし)には,さまざまな太鼓類が用いられる。その中でも中心となるものは,本来は,神社・寺院で用いられる大きな長胴の鋲打ち太鼓で,神社では〈宮太鼓〉,寺院では,宗派によっては〈法鼓(ほつく)〉などともいうが,歌舞伎では〈大太鼓(おおだいこ)〉といい,単に〈太鼓〉ともいう。なお,同種の小型のものを,櫓の上で用いるものは〈櫓太鼓〉というが,その音色の特殊なものを,とくに〈カンカラ太鼓〉ともいい,これを町中に触れて歩くときは〈触れ太鼓〉ともいう。…

※「法鼓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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