朝日日本歴史人物事典 「津田出」の解説
津田出
生年:天保3.3(1832)
幕末の和歌山(紀州)藩士,明治期の官僚。江戸で蘭学を修業,帰藩後蘭学教授を勤めた。慶応年間(1865~68),藩の国政改革制度取調総裁に任じたが,勤王運動に投じて譴責禁固。明治1(1868)年執政として復職,2年和歌山藩大参事に昇任,中央政府に対して郡県制度・徴兵制度採用の急務を進言,同時に紀州の藩政改革で四民平等,徴兵制を採用・実行し注目された。廃藩置県(1871)後,参議西郷隆盛に推挙されて大蔵少輔,7年陸軍大輔に転じ陸軍少将に任じられた。世に注目され,抱負の大なるに比して官職に恵まれず,次第に国政への意欲を減じた。元老院議官,貴族院勅選議員を経歴。
(福地惇)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報