津田恭介(読み)ツダ キョウスケ

20世紀日本人名事典 「津田恭介」の解説

津田 恭介
ツダ キョウスケ

昭和・平成期の薬学者 東京大学名誉教授;共立薬科大学名誉学長。



生年
明治40(1907)年2月10日

没年
平成11(1999)年6月17日

出生地
台湾

出身地
埼玉県浦和市

学歴〔年〕
東京帝国大学医学部薬学科〔昭和4年〕卒

学位〔年〕
薬学博士〔昭和11年〕

主な受賞名〔年〕
朝日文化賞〔昭和39年〕,日本学士院賞〔昭和41年〕「苦蔘塩基を中心とする荳科アルカロイドの化学的研究」,勲二等旭日重光章〔昭和52年〕,文化功労者〔昭和55年〕,文化勲章〔昭和57年〕

経歴
昭和13年東京帝大助教授、26年九州大学医学部教授、30年東京大学応用微生物研究所教授、40年同研究所所長を経て、42〜59年共立薬科大学長。専門は薬学、有機化学だが、フグ毒の研究で知られ、39年にはフグ毒テトロドトキシンの化学構造を解明するなど、天然毒物研究の第一人者として知られた。50〜56年厚生省中央薬事審議会会長。51年学士院会員となり、55年文化功労者、57年文化勲章受章。61年ヒューマンサイエンス振興財団会長に就任著書に「有機微量少量定量分析法」「植物塩基」「薬品合成化学」「医薬品合成化学」など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「津田恭介」の意味・わかりやすい解説

津田恭介
つだきょうすけ
(1907―1999)

薬学者。埼玉県出身。東京大学卒業。東大助教授・同伝染病研究所併任を経て、1951年(昭和26)九州大学教授に就任し、薬学科を創設。1954年チューリヒ工科大学ルジーチカ教授の下に留学。1955年東大応用微生物研究所教授・薬学部教授併任となる。1957年日本薬学会賞受賞。1965年、独創的な分離精製法と研究方法とによる「フグ毒の単離と化学構造決定」により朝日文化賞を受賞。1966年「苦(くしん)塩基を中心とする荳科(とうか)アルカロイドの化学的研究」により日本学士院賞を受賞した。日本学術会議会員、東京大学応用微生物研究所長、中央薬事審議会会長、日本薬学会会頭、共立薬科大学長(のちに慶応義塾大学合併)などを歴任。日本学士院会員、文化功労者、1982年文化勲章受章。東京大学名誉教授。著書に『有機微量分析法』(1965)などがある。

[根本曽代子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「津田恭介」の意味・わかりやすい解説

津田恭介
つだきょうすけ

[生]1907.2.10. 台湾
[没]1999.6.17. 東京
薬学者。 1929年東京大学医学部薬学科卒業。同学部助教授 (同大学伝染病研究所併任) を経て 1951年九州大学教授。スイス国立工科大学に留学後,1955年東京大学応用微生物研究所教授,1965年同研究所長,1967年からは共立薬科大学学長。フグ毒の単離と構造決定,マメ科のアルカロイドの有機化学的研究を通じて,有機天然物化学の発展に寄与した。中央薬事審議会議長,日本薬学会会頭を歴任。 1982年文化勲章を受章。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「津田恭介」の解説

津田恭介 つだ-きょうすけ

1907-1999 昭和-平成時代の薬学者,有機化学者。
明治40年2月10日台湾生まれ。九大教授をへて,昭和30年東大教授となり,40年同大応用微生物研究所長。42年共立薬大学長。39年フグ毒テトロドトキシンの構造決定に成功。41年学士院賞,57年文化勲章。平成11年6月17日死去。92歳。東京帝大卒。共著に「医薬品合成化学」など。

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367日誕生日大事典 「津田恭介」の解説

津田 恭介 (つだ きょうすけ)

生年月日:1907年2月10日
昭和時代;平成時代の薬学者;有機化学者。東京大学教授;共立薬科大学長
1999年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の津田恭介の言及

【フグ(河豚)】より


[フグ毒]
 フグは数多い魚の中でも特別の珍味とされているが,ときにはこれを食べて中毒を起こし,死に至ることがある。この毒は田原良純により初めて卵巣から抽出され(1912),テトラドトキシン(現在はテトロドトキシンtetrodotoxin)と命名されたが,その後津田恭介によりC12H19O9N3なる分子式ときわめて特異な構造式が明らかにされた(1962)。これは一種の神経毒で,知覚および運動の麻痺を起こし,重症の場合は呼吸麻痺により死に至る。…

※「津田恭介」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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