派遣労働(読み)はけんろうどう(その他表記)contingent work

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「派遣労働」の意味・わかりやすい解説

派遣労働
はけんろうどう
contingent work

人材派遣会社と労働契約を結び,その業務命令によって他社で働く労働形態高度,専門的な技能を有する労働者を必要な時期に雇用したいと考える企業がある一方で,一般の雇用制度にとらわれず自己の能力,都合に合わせて働きたいと考える労働者が存在し,両者を仲介する人材派遣業が成立した。日本では 1986年に施行された労働者派遣法によって制度化された。同法は,派遣会社に登録しているキーパンチャーなどを企業の求めに応じて派遣する一般労働者派遣(登録型派遣)と,派遣会社が雇用しているビル管理者などを派遣する特定労働者派遣(常時雇用型派遣)の 2種を定めている。法律制定当初は派遣できる業務が制限されていたが,雇用の流動化を目指す政策にそって規制緩和が進み,業務の効率化,外注化を進めたい企業の意向とも相まって,急速に広まった。しかし景気が悪化して企業が正社員の採用を控えるようになると,やむをえず派遣労働者となる者が増え,派遣先では最初に人員削減の対象となるなど,雇用調整手段としても利用されるようになったことから,2012年制度の見直しが行なわれた。総務省就業構造基本調査」の定義による派遣社員数は,2002年 72万人,2007年 160万人。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「派遣労働」の意味・わかりやすい解説

派遣労働
はけんろうどう

人材派遣会社(派遣元事業主)に雇用された労働者が、他の企業に派遣されて、その派遣先の指揮命令もとに働く労働形態。派遣労働者は雇用が不安定になりやすいため、その保護目的として、1985年(昭和60)に「労働者派遣法」が制定された。

[編集部 2018年11月19日]

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