浅原才市(読み)アサハラ サイチ

20世紀日本人名事典 「浅原才市」の解説

浅原 才市
アサハラ サイチ

明治〜昭和期の浄土真宗信者,詩人



生年
嘉永3年2月20日(1850年)

没年
昭和7(1932)年1月17日

出生地
石見国邇摩郡小浜村(島根県温泉津町)

別名
法名=釈 秀素,別名=妙好人(ミョウコウニン)

経歴
船大工として年季奉公をした後、40歳すぎから下駄職人に。一方、在家の信者として真宗入信。33歳の時出家し、釈秀素という法名を授かる。45歳の時父の死を機に聴聞(ちょうもん)に専念し、自身の体験を通して受け止めた真宗の教えを、宗教詩として表現。その多くが戦禍で失われたが、その後妙好人研究家・楠恭らによって「妙好人才市の歌」として整理、出版された。また鈴木大拙の「日本的霊性」や「浄土系思想論」に詩が引用され、水上勉により伝記紀行文「才市」も著わされる。日本画家・若林春暁による、肖像画がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「浅原才市」の解説

浅原才市 あさはら-さいち

1850-1932 明治-昭和時代前期の仏教篤信者。
嘉永(かえい)3年2月20日生まれ。船大工,のち下駄(げた)作り職人。20歳ごろから浄土真宗の説教を熱心にきく。60歳ごろ自己の信仰生活を確立し,おおくの宗教詩をのこす。妙好人(在家の篤信者)として鈴木大拙(だいせつ)らにより世界に紹介された。昭和7年1月17日死去。83歳。石見(いわみ)(島根県)出身。法名は秀素。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android