① ( 江戸時代、江戸浅草付近の隅田川で養殖、または製品としたからとも、浅草観音境内で売ったからともいわれる ) 干海苔(ほしのり)の総称。
浅草海苔①〈東海道名所図会〉
[初出の実例]「甘苔 ひや汁、あぶりさかな。浅草のり」(出典:料理物語(1643)二)
② 紅藻類ウシケノリ科の海藻。各地の海岸、特に湾内の潮間帯に生え、干海苔の原料とするため、竹、木などに付着して養殖される。体は紅紫色、または緑紫色の薄い葉状。長さ一五~二五センチメートル、幅三~一〇センチメートルほどの長楕円形、円形などで、縁に波形のしわがある。雌雄同株で雌細胞の部分は色が濃く、雄細胞の部分は色が淡い。冬の終わりに果胞子ができ、夏は貝の中などで、糸状体で過ごし、秋に再び胞子を作り、これを放出して幼体となり、冬に生長、繁殖する。あまのり。むらさきのり。かきつも。《 季語・春 》〔本朝食鑑(1697)三〕