浮立(読み)フリュウ

デジタル大辞泉 「浮立」の意味・読み・例文・類語

ふ‐りゅう〔‐リフ〕【浮立】

佐賀県中心に分布する風流ふりゅう系の民俗芸能太鼓かねを打ち鳴らして、集団で踊るものが多い。

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精選版 日本国語大辞典 「浮立」の意味・読み・例文・類語

うかめ‐だて【浮立】

  1. 〘 名詞 〙 不正確な知識のまま、言い張ること。知ったかぶり。
    1. [初出の実例]「うかめだてしてあぜ道の行留り」(出典:雑俳・藐姑柳(1785)七月朔日)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「浮立」の意味・わかりやすい解説

浮立
ふりゅう

風流(ふりゅう)系の民俗芸能。太鼓を中心に構成され、佐賀県を中心に福岡県、長崎県に分布し、田楽(でんがく)と念仏踊の要素が多分に認められる。太鼓は大太鼓のほかに締太鼓(しめだいこ)も重要な楽器で、ほかに笛、鉦(かね)、簓(ささら)が加わる。土地によってくふうの違い、主とする楽器の違いもあり、鉦浮立、皮(かわ)浮立、面(めん)浮立、獅子(しし)浮立、行列浮立、踊浮立、舞浮立、玄蕃流(げんばりゅう)浮立、天衝舞(てんつくみゃー)浮立、狂言浮立、念仏浮立などさまざまな呼称がある。面浮立は浮立のなかでもっとも佐賀らしい特色があり、とくに鹿島(かしま)市七浦(ななうら)町音成(おとなし)の面浮立は知られている。鬼面をかぶり腹につるした羯鼓(かっこ)を打ちながら勇壮に踊る。大太鼓を中心に据えて、これを打ちながら演ずる浮立に踊浮立と玄蕃流浮立がある。武雄(たけお)の荒踊(あらおどり)は佐賀県武雄市近辺に伝わる浮立の一種で、重要無形民俗文化財に指定されている。群舞形式の点は面浮立に似ているが面はつけず、華やかな胴衣に化粧回し風の前垂れを着け、長刀を腰に手ぶり足踏みも勇ましく踊る。

[萩原秀三郎]


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デジタル大辞泉プラス 「浮立」の解説

浮立

佐賀県佐賀市、栄城堂が製造・販売する銘菓小豆と栗が入ったカステラ

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世界大百科事典(旧版)内の浮立の言及

【風流】より

…ただ民俗の心意伝承の中に,人に害をなす悪霊や疫神を追い払うにあたり,華やかに飾りたてた神座(神籬(ひもろぎ))を設けてそこに迎え,笛や太鼓で囃したてて生活圏外に追い出すという思想があり,風流系の芸能が広く伝播(でんぱ)する背景ともなっている。佐賀,長崎,福岡の3県には〈浮立(ふりゆう)〉と呼ばれる芸能が分布するが,これも風流の当て字で,鬼面の者や仮装の者が笛・太鼓・大小鼓・鉦などで囃されて踊る芸態は,一種の囃子物といえよう。囃子物風流踊【天野 文雄】【山路 興造】。…

【面浮立】より

…佐賀県地方に分布する風流(ふりゆう)踊の一種。肥前国一帯には大太鼓を中心に締太鼓,大鉦(おおがね),笛,鼓などで囃しながら,華やかな装束や仮面をつけた一行が道行(みちゆき)する民俗芸能が伝承され,〈浮立〉の名で呼ばれる。浮立は風流の当て字と思われる。…

※「浮立」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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