海龍寺(読み)かいりゆうじ

日本歴史地名大系 「海龍寺」の解説

海龍寺
かいりゆうじ

[現在地名]尾道市東久保町

浄土寺じようどじ山南麓、浄土寺の東隣にあり、転法輪山と号し、真言宗泉涌寺派。本尊千手観音。海龍王かいりゆうおう寺ともいい、もとは曼荼羅まんだら堂・曼荼羅寺とも称した。寛文二年(一六六二)現寺名に改称。嘉元四年(一三〇六)一〇月六日付淵信法眼寄進状(浄土寺文書)によると、淵信が定証に浄土寺・曼荼羅堂の別当職と同別所分山地・浜在家などを寄進している。当寺は浄土寺とともに、高野山領大田おおた(現世羅郡)の倉敷地尾道浦の政所用として建立されたものと推定される。

浄土寺の中興定証が永仁六年(一二九八)尾道浦に寄り、当寺に一夏を過ごして住人の請いに応じ浄土寺に転居したことが嘉元四年定証起請文(同文書)に記されている。


海龍寺
かいりゆうじ

[現在地名]苫前郡羽幌町大字天売字前浜

天売てうり島東部にある同島最古の寺院。山号は天徳山曹洞宗。本尊は釈迦如来。明治一七年(一八八四)開山一世の石橋秀三が隣島焼尻やぎしり願海がんかい寺住職加勢玄海の代人として来島、仮説教所を設けて布教を始め、同一八年鰊建網漁業者佐賀伊兵衛・早川伊平らの協力を得て堂宇を建設し、同二二年寺号公称。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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