家庭医学館 「消える血尿と対策」の解説
きえるけつにょうとたいさく【消える血尿と対策】
とくに無症候性血尿(コラム「無症候性血尿」)の場合は、血尿のほかに症状がないので、目に見える血尿がなくなれば「治った」と考えてしまいがちです。
膀胱腫瘍(ぼうこうしゅよう)の場合でも、1回だけ、あるいは1日だけ血尿があって、その後は止まってしまい、1年くらい何事もおこらなかったというのが、むしろふつうなのです。そして、このような血尿がくり返され、そこではじめて医師を受診し検査したところ、腫瘍がかなり大きくなっていたといわれ、びっくりする患者さんが多いのです。
血尿は重大な病気を知らせる警鐘ですから、とくに肉眼的血尿が1回でもあったら、たとえ血尿が止まって、つぎの尿がなんでもなくても、詳しく調べてもらうことが絶対に必要です。今は血尿が止まっているから、もう少しようすをみようと考えることは、大きな落とし穴にはまることになります。
残念ながら、血尿があっても薬を用いて血尿が止まると、しばらくようすをみている人がいるのですが、たとえ血尿が消えても、病気が消えたわけではありません。1回でも血尿があったら、迷わずに泌尿器科(ひにょうきか)などの専門医に相談してください。