改訂新版 世界大百科事典 「液位計」の意味・わかりやすい解説
液位計 (えきいけい)
liquid level detector
液面計ともいう。タンク内や管路を流れる液体の表面の高さ,あるいは混合しない2種の液体の境界面の高さを測る測定器。タンク内の液体の体積の測定を目的とする場合と単に液面の高さやタンク内の液体の貯蔵量の多少を測る場合があり,前者の目的に対しては液面の高さと体積の関係が校正によってあらかじめわかっていなければならない。液面の検出方法としてもっとも基本的な方法は,タンク上部の固定点からスケール(ものさし)をおろし先端が液面にふれたときのスケールの読みから液面の高さを求めるポイントゲージ,フックゲージ,ワイヤに重りをつけてタンク底部までおろし,ひきあげた後に液体にふれた部分の長さを読むデプスゲージがある。またタンクの底部に取り付けた連通管を通して外部の透明管に液体を導き,側壁に取り付けたスケールにより液面を読むゲージグラスがある。液面の位置を他の物理量に変換して測定する方法としては,フロートを浮かべて液面の移動をフロートの変位に変換して測定するフロート式液位計,液中にその一部をおかれた物体(ディスプレーサーと呼ぶ)が液に浸ることにより生ずる浮力が液面の変化とともに変わることを利用するディスプレーサー液位計,液体中の静水圧が底面から液面までの高さに比例することを利用し圧力測定によって求める圧力式液位計,巻圧式液位計,気泡式液位計がある。以上のいわば機械的な測定法に対して,比較的新しく開発された方法として,超音波が液面でほとんど反射されることおよび指向性をもつことを利用して液相または気相中の伝搬時間から液面の高さを測定する超音波液位計,液体中に対向する電極を設け液面の移動を電極面積の変化,あるいは誘電率の変化に変換して測定する静電容量式液位計,放射線の吸収が液相と気相で異なる性質を利用する放射線液位計などがある。
執筆者:小宮 勤一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報