深村(読み)ふかむら

日本歴史地名大系 「深村」の解説

深村
ふかむら

[現在地名]三原市深町

山中やまなか村の北東にあり、「不加村」とも書いた。御調みつぎ郡に属した。藤井ふじい(木頃川)が当村北部山地に発して南流し、中ほどで北東に向きを変え、松永まつなが湾に注ぐ。流域かみ組・なか組・しも組の集落がある。山中村から峠を経て藤井川の北側丘陵部を横断する道は中世の山陽道にあたる。中世には木来きごろ(木頃)庄、のち杉原氏の勢力が及んで木梨きなし庄に包含され、戦国時代には毛利氏の領国となった。「芸藩通志」によると、杉原氏の家臣石原景直が木門田きもんでん(現尾道市)家政いえまさ城から当村の医王山いおうざん城に移ったが、慶長五年(一六〇〇)毛利氏の防長移封に従い村を去ったという。



ふかだわむら

[現在地名]岡山市富吉とみよし三和みと

田原たばら村の西、標高一七〇―二〇〇メートルの山々に囲まれた吉備高原台地上に位置する。西部の谷間に枝村の狼谷おおかみだにがある。文明三年(一四七一)の備前一宮神事等注文(吉備津彦神社文書)に「深搦村」とみえる。寛永備前国絵図に村名がみえ、高三五一石余。「備陽記」によると、本村は田畠三一町七反余、狼谷は田畠一町五反余。元禄(一六八八―一七〇四)頃の手鑑(則武文書)では本村は直高三六五石余、家臣二名の給地。家数五二・人数三二六、牛三一・馬一三、狼谷は家三・人数一三。文化年間の「岡山藩領手鑑」では、本村は直高三五三石余、蔵入と家臣三名の給地。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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