深田正室(読み)ふかだまさむろ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「深田正室」の意味・わかりやすい解説

深田正室(ふかだまさむろ)
ふかだまさむろ
(?―1663)

江戸時代の学者。名は得知。字(あざな)が正室、円空と号した。尾張(おわり)犬山城主石川光吉(?―1626)の孫。関ヶ原の戦いで光吉が西軍にくみして敗れ、流浪して美濃(みの)国(岐阜県)深田村(現、坂祝(さかほぎ)町)に一時住んだため深田を姓とした。正室は天文地理、機巧術に長じ、最初の時計師といわれる津田助左衛門(生没年不詳)が、徳川家康の自鳴鐘を修理の際は正室に相談したという。『万国全図』、準天儀、自鳴鐘などを製作したほか、唐織錦(からおりにしき)、縮緬(ちりめん)の織り方をくふうし、京都西陣の織工に伝えたといわれる。『類聚(るいじゅう)日本紀』『神祇(じんぎ)宝典』の撰(せん)にあたった。

[菊池俊彦]


深田正室(ふかだせいしつ)
ふかだせいしつ

深田正室

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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