食の医学館 「混合スパイスその1」の解説
こんごうすぱいすそのいち【混合スパイスその1】
一般に私たちが使っているカレー粉は、18世紀初頭にイギリスのC&B(クロス&ブラックウェル)社が開発した製品の流れをくむ、ヨーロッパタイプのカレー粉です。
これはインド料理に使われる混合スパイス、ガラム・マサラをヨーロッパ人の嗜好(しこう)や料理法に合うようアレンジしたもの。
●ヨーロッパタイプのカレーの作り方のコツ
その製法は、通常20~30種のスパイスをブレンドしたあと焙煎(ばいせん)して、さらに3~6か月の熟成を経て完成となります。
焙煎、熟成を行うことにより、多くのスパイスの風味が渾然一体(こんぜんいったい)となってまとまり、まろやかな味わいが生まれるのが、ヨーロッパタイプのカレー粉の特徴です。
ところで、カレーをつくるときには、カレー粉を油で炒(いた)めてから他の材料を加えるのが一般的です。
これは、スパイスの香味成分や辛み成分のほとんどが油性で、油となじみやすいため。
一度炒めることで、スパイスの成分が油に溶け込み、料理全体へうまくゆきわたるようになるわけです。
ただ、このときあまり高温で炒めるとスパイスが焦げて、せっかくの風味が台無しになってしまいます。やや弱めの火加減で、じっくり香りを引き出すように炒めるのが、おいしいカレーをつくるポイントです。