清田【たん】叟(読み)せいだたんそう

百科事典マイペディア 「清田【たん】叟」の意味・わかりやすい解説

清田【たん】叟【せいだたんそう】

江戸中期の儒者。孔雀楼(くじゃくろう)とも号す。京都儒学界の名家越前(えちぜん)福井藩の儒伊藤竜洲の子。父の本姓を名乗る。播磨(はりま)明石藩儒梁田蛻巌(やなだぜいがん)に学ぶ。31歳で福井藩に家学たる朱子学をもって仕え,また詩文をよくし,皆川淇園(きえん),富士谷成章(ふじたになりあきら),柴野栗山(りつざん)らと交わる。主著《孔雀楼筆記》《芸苑譜(げいえんふ)》《孔雀楼文集》《清君錦先生水滸伝批評解》。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「清田【たん】叟」の意味・わかりやすい解説

清田たん叟
せいたたんそう

[生]享保4(1719)
[没]天明5(1785).3.23. 京都
江戸時代中期の儒者。名,絢。字,元 琰,のち君錦。通称,文平。別号,孔雀楼など。 30歳の頃から父の旧姓である清田氏を称した。父は福井藩の藩儒伊藤龍洲。第3子で,長兄は伊藤錦里,次兄江村北海。生地は明石とも京都ともいう。生来病弱であったが,31歳で福井藩に藩儒として仕えた。普段は京都に住み,当時の京都文化界の中心人物の一人となった。詩もよくしたが,むしろ文章に意を注いだ。また『水滸伝』など中国の俗文学に親しみ,金聖嘆の影響を受けて小説の批評を試みた。『源氏物語』の評などもある。著書に,『孔雀楼筆記』 (1768) ,『孔雀楼文集』 (74) など。

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