朝日日本歴史人物事典 「渡辺昇」の解説
渡辺昇
生年:天保9.4.8(1838.5.1)
幕末の尊攘派志士,大村藩(長崎県)藩士,明治政府の官僚。父は渡辺巌。清の弟。青年のころに江戸に遊学,安井息軒の門に入る。また斎藤弥九郎の練兵館に剣を学び,桂小五郎(木戸孝允)の後の塾頭。剣を通じて近藤勇と交流があった。文久3(1863)年12月,大村藩尊攘派三十七士同盟に参加。慶応3(1867)年8月藩命により上洛,政情探索に当たる。維新ののち,明治1(1868)年4月長崎裁判所出仕,待詔局主事を経て同3年弾正大忠として福岡藩の贋造二分金製造事件の処理に当たった。盛岡県権知事,大阪府知事を経て,同13年元老院議官となり,同17年初代の会計検査院長に任命された。
(井上勲)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報