湿潤断熱減率(読み)シツジュンダンネツゲンリツ

精選版 日本国語大辞典 「湿潤断熱減率」の意味・読み・例文・類語

しつじゅん‐だんねつげんりつ【湿潤断熱減率】

  1. 〘 名詞 〙 水蒸気によって飽和した気塊が断熱変化しながら上昇するとき、気塊の湿度下降する割合。一〇〇メートルにつき〇・五度ぐらいの割合になる。

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最新 地学事典 「湿潤断熱減率」の解説

しつじゅんだんねつげんりつ
湿潤断熱減率

moist adiabatic lapse rate

熱を通さない伸縮自由な容器に詰めた水蒸気に飽和した空気を鉛直上方に移動させたときの,高度の変化に対する空気の温度の変化の割合のこと。水蒸気が凝結して雲に変わるとき凝結熱を放出するので乾燥断熱減率より温度の下がり方は小さく,900hPa(高度約1km)付近の場合,100m当りの気温の下降は20℃で0.4℃,10℃で0.5℃,0℃で0.6℃下がる。上昇する空気の塊がある程度(例えば直径1km以上)大きければ,その中心部の温度の変化は湿潤断熱減率に近く,空気塊のまわりの気層の温度が空気塊の温度より低く,かつ,温度の下がり方が湿潤断熱減率より大きければ,空気塊の温度がまわりの気層の温度より高くなるので浮力により上昇を続け,対流性の雲(積雲積乱雲など)が発達しつづける。

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パラグライダー用語辞典 「湿潤断熱減率」の解説

湿潤断熱減率

サーマル地上を離れて上昇する際、乾燥断熱減率の割合で気温が下がるが、次にサーマルが雲になると、水蒸気の潜熱の関係で気温の下がる割合が小さくなって、大体0.5~0.9℃位の気温降下となる。これを湿潤断熱減率という。湿潤断熱減率は100m上昇(下降)した際に新たに発生する凝結(蒸発)量が気圧および気温に依存する為、その時の気圧や気温によって違ってくる。そのため、気圧が高くて低温であるほど大きくなり、乾燥断熱減率に近づく。逆に、気圧が低くて高温であるほど小さくなるが、パラグライダーの場合、近似値的に100mにつき0.5℃としてもさしつかえない。

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世界大百科事典(旧版)内の湿潤断熱減率の言及

【気温減率】より

…その温度減少率は,空気塊の中で凝結がない場合は,空気の定圧比熱をCpとすると,g/Cp=0.977℃/mで,乾燥断熱減率といわれる。凝結がある場合の減少率は湿潤断熱減率といわれ,気圧や温度によって異なるが,下層大気では普通0.5~0.6℃/100mである。湿潤断熱減率は空気塊内の凝結による熱放出のため,乾燥断熱減率よりは小さい。…

【断熱変化】より

… 乾燥空気が断熱変化しながら上昇するとき,100mごとに約1℃気温が低下する(この値を乾燥断熱減率という)。一方,水蒸気で飽和した空気が断熱的に上昇すると気温が低下し,水蒸気が水や氷になるため潜熱が放出され,温度低下の度合(これを湿潤断熱減率という)は乾燥断熱減率より低く,気温,気圧によって異なるが100mにつき約0.5℃となる。後者の過程で,凝結した水や氷が空気塊の中にとどまっている場合には,空気塊全体として見れば変化は可逆的であり断熱的である。…

※「湿潤断熱減率」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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