パラグライダー(読み)ぱらぐらいだー(英語表記)paraglider

翻訳|paraglider

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パラグライダー」の意味・わかりやすい解説

パラグライダー
ぱらぐらいだー
paraglider

ハンググライダー一種。布のみでつくられ、骨組みのない翼(キャノピー)と、パイロットの吊下索(ちょうかさく)で構成されている。正式にはハンググライダー・クラス3、すなわち堅固な基本構造を有さないハンググライダーの一般名称パラグライダー原型は、1978年フランス飛行したとされているが、このときの機体はスポーツ用パラシュートを改造したものであり、本格的な機体が出現し普及が始まったのは1985年ごろからである。

 翼の前部下面に開口部があり、ここから空気を取り込むことにより飛行可能な形となる。操縦ブレークコードとよばれる、左右計2本の索により行われる。素材は翼がナイロンまたはポリエステル繊維製、吊下索はアラミド繊維あるいは高張力ポリエステル繊維製である。

 空中での操作が単純なのに加えて、自重は約6キログラム、折り畳めばルックザックリュックサック)程度の収納袋に入ってしまうなど、これまでの航空機にない特徴をもっている。数字上の滑空性能はハンググライダーよりも一段下がるが、飛行重量が軽いため上昇気流をとらえやすく、条件がよければ100キロメートルを超える飛行も可能である。公式競技は地図上に複数の旋回点を設定し、その間の速度で争われる。これはハンググライダー・クラス1、2と原則的に共通である。

 飛行の手段としてはもっとも手軽であり、ハンググライダー・クラス1および2に比べ普及率は突出して高い。日本では、航空法に定める航空機に含まれていないため、操縦するにあたって免許は必要としないが、ハンググライディング・スポーツの統括機関である、日本ハンググライディング連盟が定める技能証規定があり、これに従って技能証が発行されている。技能証の水準は、国際的に統一されたものである。

[矢ヶ崎弘志]

その後の動き

日本ハンググライディング連盟は、2005年に日本ハング・パラグライディング連盟に名称変更されている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パラグライダー」の意味・わかりやすい解説

パラグライダー
paragliding

長方形パラシュート (キャノピー) で大空を飛ぶスポーツ。 1970年代にフランスのアルプスで登山家が下山の道具としてスカイダイビング用のパラシュートを改良し,山の斜面から滑空したのが始まりという。パラシュートに風をはらませて一気に立ち上げ浮遊すれば,ハーネスと呼ばれる座席に座ってパラシュートの両翼と結ばれたひも (ブレークコード) を両手で制御するだけで方向転換,着地ができる。ハンググライダーと比べて小型で軽く持ち運びも比較的容易なため,愛好者が増えている。

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