溝腹類(読み)こうふくるい(その他表記)Solenogastres

精選版 日本国語大辞典 「溝腹類」の意味・読み・例文・類語

こうふく‐るい【溝腹類】

  1. 〘 名詞 〙 軟体動物に属する綱の一つ。体は蠕虫(ぜんちゅう)状で、殻はないが、背側クチクラでおおわれている。腹面中央にある縦みぞが特徴的で、外套腔のなごりをとどめている。海岸の砂泥中にすむ。カセミミズが代表種。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「溝腹類」の意味・わかりやすい解説

溝腹類
こうふくるい
Solenogastres

軟体動物門のうちの原始的な形態の一群で,サンゴウミヒモ類がこれに属する。無板綱 Aplacophora別名にされることもあるが,無板綱を二分して溝腹綱と尾腔綱とする説もある。体は細長い円柱状で,体長は通常 10cmぐらい。体表は外套でおおわれ,その上に厚いクチクラ層があり,その中に多数の骨片が埋っている。腹側は正中線に細い溝 (足が退化したものと考えられる) があり,これによって溝腹類といわれる。前端に口,歯舌があり,後端に肛門がある。生殖腺は1対で,雌雄同体。浅海より深海のヤギ類 (刺胞動物) に巻きついてすみ,それを食べる。カセミミズは体長 30cmに及び,溝腹類中の最大種である。 (→尾腔類 )

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世界大百科事典(旧版)内の溝腹類の言及

【軟体動物】より

…背側の体表はクチクラ層で包まれ,それに石灰質の小棘(しようきよく)や小鱗がある。腹側には前方から後方へ細い溝があるのでこの類を溝腹類Solenogastresともいう。しかしこれを欠く種類もある。…

※「溝腹類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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