漸悟(読み)ゼンゴ(その他表記)jiàn wù

精選版 日本国語大辞典 「漸悟」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐ご【漸悟】

  1. 〘 名詞 〙 順を追って悟りを開くこと。だんだんにさとること。雁木悟(がんぎざとり)
    1. [初出の実例]「或衆生は三乗の種子みなながらあり、是は先ず声聞にも独覚にも成て後に成仏す。是を漸悟の菩薩と名付」(出典:法相二巻抄(1242か)下)
    2. [その他の文献]〔謝霊運‐弁崇論〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「漸悟」の意味・わかりやすい解説

漸悟 (ぜんご)
jiàn wù

中国仏教用語段階的に悟りに至る意。一挙に悟る頓悟に対して,主としてその修行方法を指していうもの。インド仏教では,現実の苦より出て,悟りの理想に達するには,無限の時間が必要であり,何度生死をくりかえすうちに修行の功をかさねて,ようやくそこに近づくことができると考えたが,中国では,現世をその最後の段階とみて,頓悟への道を予想するに至り,漸悟すら頓悟あってのこととなる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「漸悟」の意味・わかりやすい解説

漸悟
ぜんご

「頓悟・漸悟」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android