瀛奎律髄(読み)えいけいりつずい(その他表記)Yíng kuí lǜ suǐ

改訂新版 世界大百科事典 「瀛奎律髄」の意味・わかりやすい解説

瀛奎律髄 (えいけいりつずい)
Yíng kuí lǜ suǐ

中国,元の方回(1227-1306)が編した詩集。49巻。1283年(至元20)序。唐宋の五言七言の律詩を選び,題材によって〈登覧〉以下全49類に分かち,毎首に批評を加え,景(客観的事象)と情(主観的心象)の交錯を強調する。また詩人系譜として,杜甫を一祖とし,黄庭堅・陳師道・陳与義を三宗とする。江西詩派の詩論を考察するのに有用な書。なお清の紀昀きいん)が方回の立場を批判する評語を付け加えた《瀛奎律髄刊誤》がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「瀛奎律髄」の意味・わかりやすい解説

瀛奎律髄
えいけいりつずい
Ying-kui-lü-sui

中国,唐,宋の律詩の選集。宋末元初の方回 (ほうかい) の編。 49巻。唐,宋の近体詩を題材によって分類し,批評,解説を加えたもの。現在では清の紀いんがこれにさらに批評をつけ加えた『瀛奎律髄刊誤』がおもに行われている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android