日本大百科全書(ニッポニカ) 「瀬ノ本高原」の意味・わかりやすい解説
瀬ノ本高原
せのもとこうげん
熊本県北東部にある高原。「瀬の本高原」とも記す。阿蘇外輪山(あそがいりんざん)北東端から、九重(くじゅう)火山群の猟師岳(りょうしだけ)(1423メートル)の南麓(なんろく)にかけて広がる。標高600~1000メートル。南小国町(みなみおぐにまち)と産山村(うぶやまむら)に属する。江戸時代から入会(いりあい)地で、毎年の火入れの繰り返しにより、ススキ、ササ、シダ類などの繁茂する独特の人為的な植生景観がつくりだされてきた。現在では草地改良事業の成果としての広大な改良牧野のほかに、高原の冷涼な気候を生かした高冷地野菜畑が増えつつある。しかし、この高原の名を世間に高めさせたのは、1964年(昭和39)の九州横断道路、通称「やまなみハイウェイ」の開通である。付近には参勤交代道の松並木もある。
[山口守人]