陶部(読み)スエツクリベ

デジタル大辞泉 「陶部」の意味・読み・例文・類語

すえつくり‐べ〔すゑつくり‐〕【部】

上代朝鮮からの渡来人中心に、陶器須恵器すえき)を製造した技術者集団

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精選版 日本国語大辞典 「陶部」の意味・読み・例文・類語

すえつくり‐べすゑつくり‥【陶部】

  1. 〘 名詞 〙 大化前代、五世紀前半以後、朝鮮から技術を導入して、渡来人を中心に陶器(須恵器)を製造した技術集団。
    1. [初出の実例]「新(いまき)の漢(あや)の陶部(スヱツクリベ)」(出典日本書紀(720)雄略七年八月(前田本訓))

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陶部」の意味・わかりやすい解説

陶部
すえべ

大化以前に須恵 (陶) 器の生産に従事した部民。『日本書紀』雄略天皇7年条には,東漢直掬 (やまとのあやのあたいつか) に命じて,新漢陶部高貴 (いまきのあやのすえつくりこうき) らの工人を移住させた所伝がある。須恵器の生産は5世紀以後,帰化系氏族の手工業部によって行われたが,大化改新後は解放されて公民となった。しかし令制下において,部民の一部は品部雑戸として,中央官庁に属しているが,陶部については,宮内省管下の筥陶司 (はこすえのつかさ) にも所見がない。

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旺文社日本史事典 三訂版 「陶部」の解説

陶部
すえつくりべ

古代,須恵器を製作した部
陶作部」とも書く。朝鮮からの渡来人が多い。大化の改新以後,大和政権直属の部としては廃されたが,手工業団体として続いた。

陶部
すえべ

すえつくりべ

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世界大百科事典(旧版)内の陶部の言及

【陶作部】より

…須恵器の源流は朝鮮半島南部に求められている。また陶部ともつくる。《日本書紀》垂仁3年条に,近江国鏡谷の陶人は新羅王子天日槍(あめのひぼこ)の従人であると伝え,また雄略7年条には百済より貢上せしめた工人中に新漢陶部高貴(いまきのあやのすえつくりこうき)の名がある。…

※「陶部」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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