灯し(読み)ともし

精選版 日本国語大辞典 「灯し」の意味・読み・例文・類語

ともし【灯・照射】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ともす(点)」の連用形名詞化 )
  2. ともした火。あかりともしび灯火。とぼし
    1. [初出の実例]「この蛍のともす火にや見ゆらん、ともし消ちなむずるとて」(出典:伊勢物語(10C前)三九)
  3. ( 照射 ) 夏の夜の狩りで、山中木陰にかがり火をたいたり、火串(ほぐし)松明(たいまつ)をともしたりして、鹿(しか)をおびき寄せて射殺すこと。また、その火。ともしかり。《 季語・夏 》 〔二十巻本和名抄(934頃)〕
    1. 照射<b>②</b>〈日本年中行事大全〉
      照射〈日本年中行事大全〉
    2. [初出の実例]「五月闇天つ星だに見えぬ夜にともしのみこそ山に見えけれ」(出典:栄花物語(1028‐92頃)歌合)

とぼし【灯・点】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「とぼす(点)」の連用形の名詞化 )
  2. 火をともして、闇を照らすのに用いるもの。たいまつ紙燭(しそく)の類。ともし。
    1. [初出の実例]「わるうすれば、松はとぼせば明があると云てとほしにして」(出典:四河入海(17C前)二四)
  3. 男女の交合。
    1. [初出の実例]「もしとぼしはなかったかと湯で床(とこ)のやうすを聞いたり」(出典洒落本・意妓口(1789‐1801頃)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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